「潜水服は蝶の夢を見る」
2008.03.17(00:49)
「潜水服は蝶の夢を見る」を観ました。旅先で時間が有ったので見てみた映画でしたが、いいくじを引きました。主人公は「ELLE」の編集長だったのですが、突然の病で左眼の瞬き以外はできなくなります。その瞬きの合図で綴った本を映画化したものだそうですが、主人公は言葉が不自由ですから作中での言葉の取扱はとても丁寧。そして体が不自由なので魂の世界や心の世界、空想の世界と思い出が綯交ぜになっているあたりも美しく幻想的に描かれています。映像が美しく脚本が丁寧で、テーマが普遍的なら駄作になろう筈は有りません。
父との関係、先妻との関係、子供との関係、友人、知り合い、医学療法士、すべての人との関係が過不足なく描かれていると思います。主人公のジャン・ドーが元気だった時も美しい物を見るようですが、片目しか見えなくなっても、その小さな窓から見える世界は、美しく切り取られているように思えます。
もしジャン・ドーが美しい物を取り扱うELLEの編集長のような人ではなければ、そういう感性を持ち合わせていなければ、この病はもっと悲劇的なものだったでしょう。もちろん健康がいちばんですが、人間は出来得る限りの機能を駆使して生きることの質を高めていくことができるのかもしれない、フランスでは。(日本では病人は子供扱い、人格なんて無視されてますけど)
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